軍事境界線近くまで行った!高城統一展望台と雪岳山ー束草旅行で感じた南北分断の現実

韓国好きの皆さん、軍事境界線近くに行ったことがありますか?この記事は江原道束草市を訪れた際、高城統一展望台まで行った旅行記です。韓国ドラマや時代劇を見ていると、南北分断という現実を忘れがちです。しかし実際に軍事境界線近くまで行った時、その現実を肌で感じました。

旅行計画とガイド

私がまだ銀行で働いていた、今から17年も前の2009年9月に、5連休というシルバーウィークがありました。その休みを利用して娘夫婦と娘の夫の妹とその息子、私の計5人で韓国旅行に行くことになりました。計画は全て私が立てることになりました。

ソウルに行くことは決まっていましたが、私はそこに江原道の束草市を加えたのでした。なぜ、束草を加えてかというと、韓国語を勉強してる時、韓国語テキストの中に、ソウルに住む人が休暇に束草へ行き、雪岳山に登り黒鯛の刺身を食べて来たという会話があり、一度そこに行ってみたいと思ったからでした。

全く知らない束草へ行くについてはガイドが必要と思い、ネットで探していると、ピッタリの人が見つかりました。その人は愛媛大出身で韓国人と結婚し、束草市に住んで日本語教師をしている女性でした。さらに高城統一展望台まで行ってみたいと思ったのは、初めての韓国旅行に一緒に行った同僚が、軍事境界線に行ってみたいと言っていたのを思い出したからでした。

束草市内・雪岳山

ソウル観光を終えて、束草までは高速バスを利用し4時間位かかりました。午後遅く束草市内へ着き、束草の港町を歩きながら、ドラマ「秋の童話」のユン・ウンソが住んでいたバラックの家を思い出していました。やがて暗くなり、海岸近くの刺身の食べられそうな店へ入りました。チューブのワサビと瓶入りの醤油も揃っていました。何種類か刺身を食べましたが、やはり黒鯛が一番美味しかったと記憶してます。

翌日の朝、山の麓のホテルの前で、ガイドとガイドの資格を取ったばかりの若い韓国人女性と初めて対面しました。早速二人の車で雪岳山へ向かいました。雪岳山頂上まではロープウエーで登れましたが、結構、観光客が多く待たされました。東海(日本海)まで良く見え、初秋の爽やかな空気を満喫しました。

この韓国人ガイドさんには大変世話になりました。というのも、娘が雪岳山を降りる頃から体調を崩し、歩くことも大変になった時、車で娘を自宅まで連れていってくれ、休ませてくれたのでした。

高城統一展望台

雪岳山の後は高城郡にある統一展望台です。統一展望台とある通り、南北統一の願いが込められています。束草市からは、しばらく真っすぐな道を北上しましたが、やがて山に入りくねくねした道を登って行きました。私は韓国人ガイドの運転する車の助手席に乗って行きました。

その若い韓国人女性との会話で、今でも覚えていることが二つあります。一つはそのくねくねした道を韓国語で꾸불꾸불(クブルクブル)と言うことを教えてくれたこと、それから、最近亡くなってお父さんに、ガイドで最初に得たお金をあげ、とても喜んでくれたということ。その話を聞いて、こういう人だから娘を自宅まで連れていって休ませてくれたんだなと思いました。

展望台手前で検問がありました。軍人の検査を受けると飛行場で入国検査を受けるのと違った緊張感がありました。しばらくそこで過ごしましたが、すぐ目の前が北朝鮮です、東海(日本海)にそって寄せる美しい波と迫る山のコントラストは今でも忘れられません。それが人間によって分断されるとは、朝鮮民族の、日本人には測り知れない悲哀を感じました。晴れた日には金剛山が見えるといいますが、その日は見た記憶がありません。

その他、展望台以外の建物の中には朝鮮戦争の資料などがありましたが、北朝鮮商品を売っているコーナーもありました。私はそこでワインを買ったんですが、帰国して紙箱から出してみたら、瓶が真っすぐ立たないのであきれて笑ってしまいました。確かにワインを飲むのには支障がない、日本人は外見にこだわりすぎかもと。

キム・グァンソクの二等兵の手紙

若きイ・ビョンフンが出演した映画に、軍事境界線の共同警備区域(Joint Security Area=JSA)を扱った「JSA」がありますが、いつか見たいと思いつつまだ見たことがありません。韓国には兵役があります。入隊する時、訓練所の前で家族、友人、恋人達が歌うことを知ったのは韓国へ留学した時でした。その歌はキム・グァンソクの「二等兵の手紙」です。

日本の韓国語の先生も入隊している息子に会いに帰国した時があり、その時、私の下宿によってくれて下宿で一緒に食事をし、下宿のおばさんに、日本人に食事を出す時の注意をいろいろしてくれました。また、同じ下宿に、在学中に入隊して除隊し復学した学生がいて、何度も食事を共にする機会があり、色々な話をしてくれました。

今、「二等兵の手紙」を聞くと、17年前に訪れた統一展望台を思い出し、あれからちっとも変わらない南北分断と、新たな気持ちで兵役に就く若者の心が、歌詞の最後、「이제 다시 시작이다(今がまた始まりだ)」に見えてきます。

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