「薯童謡(ソドンヨ)」って何?と思われるかも知れませんが、これは2005年に韓国で放送され日本でも2006年に放送された韓国ドラマのタイトルです。
「三国史記」と並ぶ韓国の古典「三国遺事」の百済30代王武王の薯童説話の中に出てくる童謡の名前が薯童謡(ソドンヨ)で、意味は薯(いも)を売る童(子)の謡(歌)です。このドラマはこの説話にヒントを得て作られた歴史ドラマです。
この4つの見どころを読んで頂ければ、主人公チャンが武王になるまでの壮大なドラマの魅力を感じてもらえることでしょう。
見どころ、その1ー実在した百済国王を題材にした波乱万丈のドラマ
主人公チャンは百済国王の四男として生まれながら、それを知らず平民として育てられ、自分が何者なのか模索しながら百済の優秀な技術者として成長していく。
百済と新羅という敵対する国をめぐりチャンに次々襲いかかる試練をどう乗り越えるか、何度も絶体絶命のピンチに陥ってはギリギリで突破するチャンの活躍は見応えがあります。
王位をめぐる血で血を洗う争い、陰謀と裏切り、親や師との再会と別れ、民を守るための闘い、さまざまな苦難と試練を乗り越えながらチャンは遂に百済国王となります。
戦争や政略だけでなく、庶民とのふれあいや、愚直な仲間たちとの友情、時に笑い、時に涙する心暖まるシーンも多く、壮大で波乱万丈な歴史ドラマとして仕上がっています。
見どころ、その2ー新羅王女サンファのチャンへの一途な愛
身分が違う敵国の新羅の王女であるサンファ姫は幼き日の恋を貫くため、チャンが百済の王になり、民のために生き国を守る真の王になることを助けます。
チャンを守るためには国王である親に背くことも、命の危険も顧みない一途な愛には涙と共感を呼びます。二人は三国時代の「ロミオとジュリエット」のようですが最後までサンファ姫の愛は貫かれます。
サンファ姫は百済国王になったチャンと結婚した後も、百済と新羅の抗争は絶えず、サンファ姫の政治的立場は微妙になりますが、それでもサンファ姫はチャンの妻としての立場を貫くのでした。
サンファ姫は最後に病気で亡くなる時は、感動的な言葉を残します。「私は何も後悔していません。陛下から逃れることができたのに、この道を選んだのです。そして、全てを手に入れました。だから、私が死んでも泣かないでださい」チャンはそんなサンファ姫をいつまでも抱きしめているのでした。
見どころ、その3ー豊かな百済文化・技術が効果的に盛り込まれている
チャンは母親によって百済最高の技術士モンナスの元に預けられ、優秀な技術者として成長していきます。彼の技術者としての才能は早くから開花し、温水床(オンドル)を発明し民の暖房に用い百済王(威徳王)にも感謝されます。
モンナス博士はチャンに対し技術だけでなく、人の生き方を教える師でもあり、生涯チャンが国王になるのを助けるのです。
百済には「太学舎(テハクサ)」と呼ばれる技術集団が存在し、最先端の科学技術の知識が蓄えられていました。チャンが技術士たちと成長していく過程では紙漉き・金属精錬など百済の革新的な発明が次々と登場し、物語をさらに魅力的にしています。
日本人にとっては「白村江の戦い(663)」に敗れ日本に渡って来た百済の遺民がもたらした百済の技術と文化も想起させる歴史ドラマなのです。
見どころ、その4ー重要な意味を持つ脇役の演技
このドラマを引き立てているのは脇役の新羅のサテッキルと百済の王女ウヨン姫です。サテッキは新羅のスパイであり、ウヨン姫はチャンに次第に魅かれていく役です。
サテッキルは新羅の花郎(ファラン)出身のチャンのライバルであり、チャンの進む道を、同僚、敵国潜入者と立場を変えながら策略を巡らしチャンを妨害します。
サテッキルは実はサンファ姫を一途に想う悲運の男ですが。策略・暗殺・反乱と悪行を重ね、ドラマ全体の流れを支配している影のヒーローなのです。
もう一人の重要な脇役であるウヨン姫はチャンとサンファ姫の恋を陰ながら見守りながら、最後にはチャンの危機的状況でチャンんを助けます。百済王女で王族の責務と個人感情のはざまで迷いますが、ドラマ進行の決定的な役割を演じています。

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