韓国好きの皆さんは、きっと、私よりおいしい韓国料理を知っていることでしょう。この記事は私が韓国留学中に良く食べた食堂でのことをまとめてものです。
青唐辛子の辛さを知らないために、うっかり口にし涙を流しながら食べたこともあります。道峰山で、ある韓国人に言われた言葉ですが「日本は魚の食べ方が上手で韓国は肉の食べ方が上手」ということが今になってよくわかります。
韓国留学中、食堂巡りの記録
韓国留学中、観光ガイドには載らないような、庶民的な食堂によく足を運びました。私が見た庶民の食事は質素でした。京東市場では母親と娘がお昼を食べているのを見ましたが、麺を茹でておかずはキムチだけのようでした。
京東市場の母娘の昼食を見てから、外食することさえ贅沢なことと思うようになりました。そのうちのいくつかは、今でも忘れられない思い出になっています。ここでは、時期はバラバラですが、印象に残っている5軒の食堂での出来事をまとめてみます。
青唐辛子事件
以前から気になっていた、24時間営業、全メニュー3,900ウォンという食堂で、キムチクッパを食べてみることにしました。
運ばれてきたのは、白菜と大根のキムチが壺に山盛りになったものと、にんにく、豆、大根の漬物の小皿。本体のクッパは、熱に強そうな土鍋で煮立てられ、湯気をもうもうと立てながら運ばれてきました。熱いのと辛いのとで、汗をかきながら食べ進めました。
ふと、脇に置かれていた小さな壺を開けてみると、緑色の刻んだものが入っていました。てっきり野菜、それも辛さを中和してくれるものだろうと思い、思わずクッパにかけてしまいました。
これが、大変なことになりました。それは、唐辛子の中でも最も辛いとされる青唐辛子だったのです。涙と鼻水を流しながら、それでも最後まで全部食べきりました。今でも忘れられない思い出です。
それから数回、この店に通いました。3回目に訪れた時のことです。メニューは5、6種類ほどしかないのですが、崩し字のような書体で読みにくく、頭の「콩」と、お尻の「국」の文字だけを頼りに、コンナムルクッ(豆もやしスープ)らしきものを注文してみました。
運ばれてきたのは、豆もやし、魚、豆腐、卵、海苔などが入った、熱々のスープでした。ご飯とキムチは食べ放題です。ただし、脇にあったあの小さな壺にだけは、決して手を付けませんでした。前回、痛い目にあった青唐辛子です。スープは熱々で、ご飯を3杯食べ終わるまで冷めることがありませんでした。
さっぱり系の定番、멸치국수
韓国でよく食べたのは近くにあった、새마을식당(セマウル食堂という看板でした)の멸치국수(ミョルチクックス、煮干しだしのそうめん)です。本当は肉料理も食べたいところですが、ここは肉料理が3人以上でないと注文できないので、仕方ありません。
それでも、ここの국수(麺)が一番さっぱりしていて美味しく、当然キムチも付いて、量もちょうど良いのです。青唐辛子事件の後だったから、この優しい味が、なおさら染みたのかもしれません。
看板と中身のギャップ、설렁탕
ある日の夕食は、最近近くにできた食堂で설렁탕(ソルロンタン)を食べようと決めていました。開店してまだ間もないのに、いつも結構な客が入っている店で、看板には「良子」とありました。見かけは良さそうだったので、試しに入ってみることにしました。
出てきたのが、写真の一杯です。看板の写真と違って、パッと見た限りでは肉があまり見えません。スープをよくかき混ぜてみると、薄い牛肉が思いのほか入っていました。添えられていたのは、イカの塩辛を唐辛子で和えたもの。
スープの味は、少しあっさりしすぎているように感じました。正直なところ、以前食べた仁寺洞のソルロンタンの方が、美味しかったように思いました。韓国語の先生によれば、仁寺洞は観光客向けで値段は張るものの、味の評判は良いとのことでした。
こうして食堂を食べ歩いていると、店構えや看板だけでは分からない、実際に食べてみないと分からない発見がいろいろあるものだと、あらためて感じました。
キャンパス横丁の冷麺
キャンパスのすぐ横丁には、よく通った大きな冷麺の看板のある店がありました。冷麺1杯5,000ウォンなのに、いつも牛肉のつまみのようなものが、ひと塊付いてくるのです。
しかも、肉スープが飲み放題で置いてあり、これがなかなかの味で私は何杯も飲みました。なんとも太っ腹な店でした。麺は驚くほどコシがあり、日本で食べる冷麺とは明らかに別物でした。
下宿向かいの食堂、キムチチゲ
下宿の向かいには、以前キムジャン(キムチ漬け)の様子を見せてもらったことのある食堂があります。ある寒い日、そこで김치찌개(キムチチゲ、キムチ鍋)を食べることにしました。
「寒い時は熱いものが一番」とばかりに、ふうふう言いながら、ご飯をおかわりしてしまいました。キャンパスが近いので食べ終える頃、学生の団体客がどっと入ってきて、あっという間に満席になりました。タイミングよく先に入っておいて良かったと、胸をなでおろしました。
下宿は日曜日は食事が出ないので、度々外食をしました。専ら一人で食べるのは、韓国の定食のようなものばかりでしたが、韓国留学生活の一場面として思い出に残っています。

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