韓国留学の言語交換仲間と南山へー武芸24技という思わぬ発見

韓国好きの皆さんは「武芸24技」をご存知ですか?この記事は私が韓国留学時、言語交換仲間との南山を散策した時、偶然目にしたその演武についてまとめたものものです。

韓国時代劇で見るのとは違った、剣さばきの迫力に、目を見張ったものでした。南山という定番の観光地でこんな伝統武芸を無料で見れるとは驚きでした。

韓国留学時のLanguage Exchangeの仲間と南山へ

韓国留学した高麗大学には、「Language Exchange」と呼ばれるユニークな制度がありました。日本語を学ぶ韓国人学生と、韓国語を学ぶ日本人留学生が4、5人でグループを作り、互いに言葉を教え合いながら交流を深めるというものです。

私も、このグループの一員として、韓国人学生や日本人留学生たちと親しくなり、時にはカラオケに行くこともありました。ある週末、そのメンバーで連れ立って向かったのが、ソウルの中心にそびえる南山でした。

展望台からソウルの街並みを一望し、記念写真を撮り合いながら、和やかな時間を過ごしていました。しかし、そこの目の前ある八角亭で、私たちは思いがけない光景に出くわすことになったのです。

武芸24技とは何か

八角亭に近づくと、大勢の観光客が輪になって何かを見守っていました。近づいてみると、そこでは伝統衣装に身を包んだ演者たちが、剣や槍を手に、迫力ある演武を繰り広げていたのです。

これは「武芸24技(무예24기)」と呼ばれる、朝鮮時代の伝統武芸の演武でした。その起源は、豊臣秀吉による朝鮮出兵(壬辰倭乱)にまで遡ります。この戦いを通じて、朝鮮王朝は槍や剣を使った実戦武芸の重要性を痛感し、中国(明・清)から様々な武芸を積極的に取り入れていきました。

そして1790年、正祖の命を受けた学者・李徳懋、朴斉家と、武芸の達人・白東脩によって、それまでの武芸の集大成として『武芸図譜通志』が編纂されます。この書には24種類の武芸が収められており、面白いことに、その中には「倭剣」、つまり日本の剣術を研究し体系化した項目も含まれていました。かつて戦った相手の技術さえも貪欲に学び取ろうとする、実学の精神がそこには表れています。

南山で見たこの演武は、そうした歴史の重みを背負った、朝鮮武芸の集大成そのものだったのです。

演武の迫力

演武が始まると、その場の空気が一変しました。まず登場したのは、長い槍を手にした兵士たち。空気を切り裂くような鋭い突きが繰り出されるたび、見物からどよめきが起こります。

続いて、剣を使った演武が始まりました。刀身が陽光を反射しながら弧を描き、力強い掛け声とともに斬り込む動作が繰り返されます。時に一対一の型を見せ、時に複数人で陣形を組みながら剣を振るう姿は、まるで実際の合戦を目の当たりにしているかのような迫力でした。

一緒にいたLanguage Exchangeのメンバーたちも、思わず身を乗り出して見入っていました。韓国人学生の一人が「この動き、映画でしか見たことない」と興奮気味に呟いていたのが印象的です。日本の時代劇とはまた違う、朝鮮独自の武の美しさを、身近で感じることができた瞬間でした。

観客の中には外国人観光客の姿も多く見られ、スマートフォンを掲げて熱心に撮影する様子があちこちで見られました。旅行ガイドブックには小さな一行でしか紹介されていないこの演武が、これほどの迫力を持っているとは、実際に見るまで想像もしていませんでした。

演者との記念撮影

演武が終わると、演者たちは観客からの記念撮影に気さくに応じてくれました。私も勇気を出して、赤い韓服に身を包んだ一人の演者に声をかけてみました。
快く応じてくれた彼は、腰に差した剣に手を添えたまま、堂々とポーズを取ってくれました。近くで見ると、衣装の細部までしっかりと時代考証がなされていることがわかり、その本格的な作り込みに改めて感心させられました。

写真を撮り終えた後、簡単な言葉を交わす時間もありました。日々こうして観光客の前で演武を披露し、朝鮮の伝統武芸を伝え続けているのだと思うと、華やかな演武の裏にある地道な努力にも、自然と頭が下がる思いがしました。
Language Exchangeのメンバーたちも、それぞれ演者と写真を撮ったり、演武について話し合ったりと、南山での思いがけない出会いを存分に楽しんでいる様子でした。

まとめ

Language Exchangeの仲間たちとの何気ない週末の散策が、思いがけず、朝鮮武芸の歴史に触れる貴重な体験へとつながりました。壬辰倭乱をきっかけに生まれ、かつての敵の技術さえも取り込みながら体系化されていった「武芸24技」。その重みを背負った演武は、旅行ガイドブックの片隅の紹介文からは到底伝わらない迫力を持っていました。

言葉を教え合い、文化を分かち合う仲間たちと一緒だったからこそ、この発見はより一層心に残るものになりました。南山という定番の観光地にも、まだまだ知られざる魅力が眠っているのだと、改めて実感した一日でした。

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