韓国ドラマ好きの皆さんはきっと韓国の歌も好きなことでしょう。この記事は私が韓国留学した時の歌にまつわる体験をまとめたものです。
語学を学びに留学したのに、語学以上に大切なものがあると気付かされた留学でした。一緒にイ・ ソニの「思い出のページをめくれば」をお聞き下さい。
韓国ドラマのOSTと韓国の歌
韓国ドラマ・時代劇でもOST(挿入歌)が重要な役割を果たすことはご存知の通りです。韓国ドラマのOSTが心に残るように、韓国の歌が旅や留学の記憶と結びつきます。
私が韓国ドラマにはまって韓国語の勉強を始め、還暦を過ぎて大学に編入学し韓国文化を学び、韓国留学をし、大学院にまで進み韓国文化を研究しした15年間の間に数えきれない韓国の歌が耳に入ってきました。
韓国ドラマを観ている時は、OSTは登場人物の感情の動きや、物語のクライマックスや追憶で流れることが多く、その曲を聞くだけでその場面が目に浮かびます。 韓国ドラマのOSTがドラマの記憶に深く残るという傾向があります。
留学した時聞いた韓国の歌も、留学生活の一つ一つと結びついていて、走馬灯のように記憶が蘇り、時の隔たりを忘れさせる装置なのです。
城北区のカラオケ教室
ソウルに留学中のある日、下宿のおばさんに紙切れ1枚を渡されました。それは城北区役所が主催する文化教室の案内でした。私はその中からカラオケ教室へ参加したのです。歌はあまり得意でなく聞く方が好きな方でしたが、歌を通じて韓国の人と接するのが目的でした。
おばさんに連れられて、会場のコミニュテイーセンターへ行くと、家庭の主婦らしき女性ばかり、40人ほど居て圧倒されました、男性は私一人でした。私は留学については、キャンパスばかりに閉じこもらず、街に出て広く韓国の人と接しようと考えていました。
先生は中年の男性で、歌詞付の楽譜を配り、大画面のビデオを見ながら歌わせ、最後に2~3人に前に出てひとりで歌わせるというスタイルでした。とてもユーモアがある先生で、生徒との関係も抜群に和やかなものでした。ご婦人ばっかりだったからなんでしょうね。
私もひとりで歌う機会があったんですが、恥ずかしいのと韓国語に自信がなく、遠慮していました。後で同時に習っていたハングル書道の女の人に、歌えば良かったのにと言われました。この時もらった楽譜は韓国の人が好んで歌う曲で20曲ほどあり、今でも私の財産として持っています。
忘れられない韓国の歌
私の乏しい韓国の歌の知識の中でも、イ・ソニの「美しい山河(아름다운 강산)」は韓国人が良く歌う国民的名曲だと思います。マイクを壊したというエピソードがある、豊かな声量で韓国の山河の美しさを歌い上げる、彼女の姿は韓国人でなくても魅了されます。
そのイ・ソニの歌に「思い出のページをめくれば(추억의 책장을 넘기면)」という昔を懐かしく振り返る歌があります。留学を終えて帰国する頃になって、この歌を聞いた私は、一年間の思い出多い留学生活の回想にふけったのでした。
それから13年が過ぎた現在でも、この歌を聞くたび、留学生活での出来事が、まさにページをめくるが如く思い出されるのです。あの日々は二度と帰ってこない、そうではありません。この曲を聞けば、いつでもあの日々に戻れるのです。
留学生と行ったカラオケでのエピソード
私が留学生とカラオケに行ったのは、冬休みに行われる留学生のための韓国語講座が終わった際、同級生達と一緒に行った時でした。若い留学生ですから当然カラオケとなり、そこに還暦を過ぎた私も行かざるを得なかったという訳です。
カラオケでは私は好きなイ・ソニの歌を歌ったりしましたが、だんだん持ち歌がなくなり、前から好きだったABBAの歌を歌うことにしたのです。曲は「The Winner Takes It All」という有名な失恋の歌です。私は下手な英語で唸りはじめました。
すると、オーストラリアの女子留学生がシクシクと泣き出したのです。私の歌になんかでは、もちろんありません。歌詞の持つ切なさと思いを語るようなメロディーに、何かを思い出したのでしょう。本当のことは分かりませんが、歌を通して若い留学生と私が共鳴した瞬間でした。
歌は国境を超える
カラオケ教室で韓国の歌に接し韓国人の心が少しは理解できたこと、オーストラリア女性とカラオケで共鳴できたこと、私にはキャンパスで学べない貴重な体験でした。還暦を過ぎた人間にとって、これが何よりの留学の成果ではないかと思います。
歌は国境を超えるとはよく言いますが、いいものはいい、単純なことだと思います。歌は性、年齢、国籍、人種を超えて人の気持ち、感情を伝えます。外国語を学びに外国に来た私が知ったことはものすごく単純なことでした。

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